お城で造ったサラブレッドビール「Ter Dolen」
先週末、会社の先輩とTer Dolen(テルドレン)醸造所に行ってきました。
私はごく普通のレベルの記憶力なんですが、なぜかビールに関してだけはすごくて、何処でどんなビールを飲んだかだけは、ほぼ正確に覚えているのです。自分で自分に感心…(笑)もうちょっと別の分野の記憶力があれば仕事にも役立っただろうに、人間どこでどんな才能?が出てくるか分からないものですね。
で、Ter Dolenですが、これは私がベルギーで初めて行った、去年9月のグランプラスのビアフェスで飲んだ1杯目のビール。お城のロゴが可愛いなぁと思った記憶があります。
そんな思い出の醸造所。ビアフェスではちょくちょく見かけて、スーパーでは「Cora」で売ってるくらい、ビアカフェではレアなビールが置いてあるところにはあります。
<お城のロゴがカッコいい>
こんな感じのマイクロブリュワリーですが、醸造所見学(7€)はかなりちゃんとしていました。毎週土日と祝日の15時から醸造所見学が開催されていて、事前にHPで予約をすると予約受付の自動メール(蘭語)が届き、当日予約名を告げるとしっかり案内してくれました。
会社の先輩と行くことになっていたので、粗相があってはいけないと、ちゃんと予約が出来ているか確認の電話入れたのですが、オランダ語の自動音声が流れるだけでよく分からず…。あぁ、オランダ語も勉強しておくんだったと後悔しつつも今更もう遅い。今まで35か所ほど醸造所に行きましたが、そのうち1回だけ予約が取れていなかったことがあり(事前に確認していたのだけど、ガイドがドタキャンした)、それがトラウマだったのですが、Ter Dolen醸造所に関しては取り越し苦労で終わりました。良かった。
さて、今回の醸造所ツアーの参加者は全部で6人。冬は少ないそうです。ガイドさんは醸造所所属ではなく、職業ガイドの方でしたが(ハッセルトの庭園でもガイドをしているそう)、ビールの表面的な話ではなく、ちゃんとTer Dolen醸造所の話をしてくれたのでとても良かったです。
今回初めて知ったのですが、Ter Dolenのビールは修道院ビールにカテゴライズされるそう。修道院ビール(Abbey beer)を造る醸造所はベルギーで27か所あり、定義としては「現存する、または過去に実在した修道院と何らかの関わりがあり、修道院にロイヤルティを支払っているビール」となります。Ter Dolenが歴史上の記述に登場するのは1282年で、以前ここはシント=トロイデン修道院の修道士たちが避暑地として利用していたそうです。だから修道院ビールなんですね。
その後色々な変遷を辿りますが、1993年にMiekeさんという若い女性が当時無人で荒廃していたお城を購入し、その翌年にお城の馬車置き場の中に最新設備を備えたビール醸造所をオープンさせました。これだけ聞くと何だかアメリカンドリームのような話に聞こえますが、この女性の家系は醸造一家で、お父さんのArmandさんを始め、沢山の有名醸造家を輩出しています。(確かGentのGruutと、あとどこかだったような)
<あまりよく撮れていませんがこちらがお城>
<外見からは想像も出来ない、最新設備の醸造所です>
醸造所ツアーの後は、醸造所の向かいにある雰囲気の良いカフェで恒例の試飲タイム。私はせっかくなので季節限定のWinterビール(11%)にしました。シナモンや蜂蜜が入っていて、クリスマスマーケットで飲むホットワインのような味。しみじみと美味しいビールでした。
<左がダークビール、右がウインタービール>
<こちらがカフェの店内の様子。開放的で気持良い雰囲気。近くにサイクリングコースもあり、近所の人やお出掛けがてらの人達がここのビールをお目当てに来ていました>
Miekeさんのお父さんの名前を冠した「Armand」というビールがとってもかっこよくて、美味しいIPAで私のお気に入りです。750mlの真っ黒いスタイリッシュなボトルはワインに見劣りしないように、またギフトにもなるようにと作られたそう。確かにこんなかっこいいボトルだったらホームパーティーにも持っていきたくなりますね。私ももちろん購入しました。
Ter Dlen醸造所は従業員は全部で8人、うち醸造に関わっているのはたったの2人です。そんな超零細醸造所ですが、日本やアメリカにもビールを輸出しているし、スーパーにも卸しているし、かなり精力的に頑張っています。こういうところで働けたら楽しいだろうなぁ。
<醸造所の入り口にて>
0コメント