私のチーズ入門12「スイスの珍しいチーズ、Tête de Moine 修道士の頭?!」
今日はスイスから買ってきたスイス名物のチーズ、「Tête de Moine」(テット・ドゥ・モワンヌ)を紹介します。フランス語圏で造られているチーズなので、名前もフランス語。「修道士の頭」という意味です。
このチーズ、プレゼンテーションがとってもユニークで、花びらのような美しい形をしているんです。こんなチーズ初めて!
珍しい形で人目を引くので人気があるのか、ブリュッセルのスーパーでも普通に売っています。いつか買おうと思っていましたが、やっぱりスイスに行ったタイミングで…、今回初挑戦です。
お値段はよく覚えていませんが、↓の分量(100gくらい)で4フランくらいはしたと思うので、ちょっと高めですね。
チーズってなかなか一気に食べられませんが、このチーズは薄ーく削ってあるので、味は結構しっかり目のこってり系ですが、柔らかな口当たりでパクパク食べれてしまいます。
フリルになっているところのフワフワとした食感も楽しい。
どうやってこのユニークな形を作っているかと言うと…、この「ジロール」という機械にチーズの固まりを差し込んで上面をくるくると薄く削って作っているんです。ジロールとはヨーロッパでよく見かけるアンズダケのフランス語。削ったチーズがジロールに似ているので同じ名前になったんですね。日本では舞茸と言った方が分かりやすいかもしれません。
※写真の出典はこちら
ただ、このジロール、開発されたのは1981年と、ごく最近なのです。チーズ自体は、15世紀にスイスの修道士が造っていたとか、農民が税として修道士に収めたとか諸説あるのですが、この食べ方が発明されて以来、大ウケして消費がぐーんとUPしたそうですよ。確かにこの薄い切り方じゃないと、ちょっと味が濃くて沢山食べるのは難しそうです。このチーズはウォッシュタイプのチーズのように、塩水で表面を拭きながら、エピセアの板の上で熟成させて造ります。なので表面にはねっとりとした粘り気があり、匂いも強いそうです。(私はジロールを持っていないため、カットされているものを買ったので、匂いはそんなに感じませんでしたが。)
あとジロールを見て思ったのですが…、何だかカトリックの修道士の髪型、トンスラを連想してしまうのは私だけでしょうか?夫には怖い妄想だ!と言われてしまったのですが(苦笑)、どうしても「テット・ドゥ・モワンヌ(修道士の頭)」のネーミングはそこから来ているように思ってしまいます。名前の由来は良く分かりませんが、スイスのチーズのラベルは統一されているおり、どのテット・ドゥ・モワンヌを買ってもこの修道士の絵が描いてあるので、いずれにしても修道士と関わりの深いチーズということですね。
さて、このジロールという機械、楽天で見てみたら、3000円弱と思ったほど高くありませんでした(最安値です)。
日本でもパフォーマンス性の高さから居酒屋やバー、フレンチレストランなどに置いてあるそうですよ。確かにチーズを薄く切るのでコストの方のパフォーマンスも良さそうです。
ベルギーでもスーパーに置いてありました。ホームパーティでも活躍しそうですね。
チーズジロール N3027F2,769円楽天
では最後に基本情報を確認。
Tete de Moine(テット・ドゥ・モアンヌ)
- 基本DATA
- タイプ: セミハードタイプ
- 産地: スイス側ジュラ地方
- 原料: 牛、生乳
- 表皮: 赤褐色でやや湿っている
- 中身: 淡黄色で引き締まっている
- 形状: 円筒形、重さ700g~2kg
- 熟成: 3~4カ月
- マリアージュ: 赤ワイン、白ワイン、日本酒
- 味: こってりとした風味
チーズが好きになって旅行の楽しみもまた一つ増えました。
いろんな地域で、その地域ごとのチーズを試してみたいですね。
もうちょっと歴史的・地理的・民族的背景を絡めて見てみると、もっと奥深そう!と思いつつもなかなかそこまでは深堀出来ず、今日もこの辺りで…
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