秋のバルセロナ旅行!~identity編~
今回バルセロナを旅行していて思ったこと。
それはカタルーニャの旗&カタルーニャ独立旗の多さとカタルーニャ語の普及率!通りを歩けばどこを見てもカタルーニャの旗が目に入ります。
カタルーニャの州旗はセニェーラ(Senyera)と言い、こちらがその旗 ↓
<カタルーニャの州旗:セニェーラ>
※ウィキペディアより画像は拝借
このセニェーラ、よく見かけたのですが、断然多かったのはカタルーニャ独立旗の方。セニェーラとの違いは、カタルーニャ独立旗の方には旗竿側に青の三角と白色の星が入っている点。この独立旗は、アスタラーダ(Estelada)と言い、カタルーニャ州のスペインからの独立支持を表明する際に、支持者が持つ非公式旗の旗です。黄色の三角に赤の星をつけたものも存在し、そちらは社会主義独立派のものだそう。
これがそのアスタラーダ ↓ とにかくよく見かけました。
それにしてもこの旗、なんだかどこかの国旗と似ていませんか?
そう、キューバの国旗に似てるなぁと思って調べてみたところ、やはりキューバと関係がありました。キューバは、米西戦争後の1898年にスペインから独立しましたが、カタルーニャ独立支持者は、スペインから独立を果たしたキューバの国旗に倣ってこのアスタラーダを制定したのでした。
スペインは歴史的にバラバラの国を一つに統一した国ですが、独立を主張しているのはその中でもバスクとカタルーニャです。一応、大学時代にスペイン史を専攻した私の記憶としては、スペインは1492年にイスラム勢力を追い出して無事、「統一スペイン」として落ち着き、その後、スペイン内戦、フランコ独裁時代などを乗り越え(スペインの奇跡)、結構1つの国としてうまくやっているじゃないかという印象でした。カタルーニャの独立機運は特に2000年代以降に上昇しているようです。
というのも、2006年にカタルーニャの自治権の拡大を謳った「カタルーニャ自治憲章」をスペインの憲法裁判所に違憲とされたことや(せっかく自治州で良いと言っているのに拒否されるならもうこの際独立を目指してしまえとなった)、スペインの採っている財政策(財政力のある州が財政力の弱い州を助ける)が気に入らないことなどが原因です。特にバルセロナは観光資源も豊富で、スペイン国内でも上位の経済力を誇っているので、自分たちが稼いだお金で他の州の尻拭いをするのが嫌なんですね。
ちなににカタルーニャ独立についてはこちらの論文が非常に分かりやすかったのでオススメです。
そんな独立を目指すカタルーニャの中心的存在であるバルセロナでは、カタルーニャ語が第一言語として使われていました。
例えば…、下の写真はあるお店の開店時間が書いてある紙なのですが、カタルーニャ語で書いてあります。こんな感じで、広告やメトロなど交通機関の表示、レストランのメニュー(超観光地を除く)はほぼカタルーニャ語の印象でした。ただ、大体の人がカタルーニャ語とスペイン語のバイリンガルで、また南米からなどの移民も多いため(バルセロナの外国人は約50%もいるらしい)、もちろんスペイン語も通じます。お店の人とスペイン語で話していて、たまに「ん?いまのスペイン語じゃないよね」っていう場面は何度かありましたが…。
お店の開店時間を書いた紙 ↓
<月~金は11:00-14:00、16:00-20:30、土曜は11:00-14:00まで営業とカタルーニャ語で書いてあります。しっかりシエスタ休みを取って夜まで営業するところがスペインらしいですね>
お次は私たちが泊まったホテルのドアに貼ってあった紙。
「ドアを閉めてください」と3つの言語(カタルーニャ語、スペイン語、英語)で書いてあります。ここでもカタルーニャ語が一番上。
ここでちょっとスペイン語&フランス語と比較すると面白いのですが、カタルーニャ語はなんとなくフランス語と似ていませんか??(正確にはカタルーニャ語もスペイン語なので、スペイン語の方をカスティジャーノ(カスティーリャ地方のスペイン語)と言った方がいいのかもしれませんが…)
- スペイン語 :Cerrar la puerta, por favor.
- カタルーニャ語:Tanqueu la porta, si us plau.
- フランス語 :Fermez la porte, s'il vous plaît.
もうちょっと分かりやすい例で行くと(左から、スペイン語、カタルーニャ語、フランス語)…、
スペイン語よりフランス語の方がカタルーニャ語に近い単語も結構あることが分かります。
- 窓 :ventana、finestra、fenêtre
- 食べる :comer、menjar、 manger
- リンゴ :manzana、poma、pomme
- テーブル:mesa、taula、table
スペイン語しか分からなかったらカタルーニャでの生活は結構苦労しそうだなぁ、なんて思いながら、興味津々で色んな標示や標識を目で追った旅でした。久しぶりのバルセロナ、新しい視点でいろいろ見れてとっても楽しかったです◎
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