私のチーズ入門16 「羊は苦手だけど愛しのスペインならOK!?」
私の旅行の楽しみの一つが、その土地のチーズを買って帰ること。そしたら家でもゆっくりと旅行のことを思い出しながら二度楽しむことが出来ます。チーズは賞味期限が長いのが嬉しいですね(フレッシュチーズ以外ですが)。
10月は嬉しいことに2回もスペインに旅行に行ったので、バスク地方とバルセロナからそれぞれAOC(フランスの原産地呼称制度)とDOP(スペインの原産地呼称制度)のチーズを買ってきていました。今日はスペインチーズ2種食べ比べです。
バスクでは、バスク地方の「Ossau Iraty(オッソー・イラティ)」と、バルセロナではスペインチーズの代表選手「Manchego(マンチェゴ)」を買ってきました。
左がオッソー・イラティで、右がマンチェゴです。それぞれ200gくらいで約8ユーロだったかな。空港で買ったのでちょっと高めです。
ではまず、オッソー・イラティから。
Ossau Iraty(オッソー・イラティ)
基本DATA
- タイプ: ハードタイプ
- 産地: バスク地方(フランス・スペインにまたがる)
- 原料: 羊乳
- 表皮: ベージュからオレンジがかった黄色から灰色など様々
- 中身: 目が詰まりよく締まったしなやかな生地
- 形状: 円盤状、20~70キロ
- 熟成: 3ヶ月以上
- マリアージュ: ブラックチェリーや蜂蜜をつけて
- 味: こってりとまろやか、濃厚なミルクの甘みがある
オッソー・イラティのオッソーはオッソー渓谷から、イラティはイラティー森林地帯から、それぞれ取られて名付けられたそう。2つともバスク地方の地名です。このチーズは、太陽神アポロンが造ったという伝説があるくらい、とても古い歴史を持っているのですが、実はAOCを取ったのはごく最近の1980年。それまでは単に「羊のチーズ」と呼ばれていましたが、AOCを取得するために名前が付けられました。AOCこそ取っていないものの、「羊のチーズ」として今も昔ながらの製法で造っているチーズはこの辺りにはたくさんありそうですね。
この地方の平均標高は1000m。傾斜が多い土地なので、バスクの人々は牛ではなく、羊と共に生活してきました。なのでチーズもやはり羊乳から造ります。
羊というと、なんだか癖がありそうと思ってしまいますが、全く癖はありませんでした。羊と言われなかったら気付かないかもしれないくらい。まろやかで優しく、でも甘みも感じられ、ずっと食べ続けられる味。羊チーズの入門、羊チーズのお手本と言われているそうです。納得ですね。日本人にも食べやすい味なので、日本にも輸入されているそうですよ。
そしてお次はケソ・マンチェゴ。ケソとはスペイン語でチーズの意味です。
このチーズは、この間ベルギーのスペイン料理屋さんに行った時に初めて意識して食べたのですが、あまりの美味しさにびっくりして、ぜひスペインで買って帰ろうと決意して買ってきたのでした。スペインでは最もメジャーなチーズなのでベルギーでも売ってあると思うのですが、私の近所の小さなスーパーにはありませんでした。
これもまた羊のチーズなのですが、まったく獣臭さを感じさせないマイルドな味でぜひ羊が苦手な人に食べてもらいたいチーズ。ミルキーな甘みとコクがあって、これはなかなか牛乳には出せなさそう。とっても美味しいので、薄くスライスしてパクパクと永遠に食べ続けてしまいそうです。
スペインはオランダやフランスに比べて雨も少なく、山岳地帯も多いので、昔から牛よりも羊や山羊が飼われていました。だからチーズも羊のものが多いんですね。このチーズは、あの有名なドン・キホーテの舞台、ラ・マンチャ地方で造られ、キホーテも愛したというTHE・スペインなチーズなのです。
Queso Manchego(ケソ・マンチェゴ)
基本DATA
- タイプ: ハードタイプ
- 産地: ラ・マンチャ地方
- 原料: 羊乳
- 表皮: ベージュからオレンジがかった黄色から灰色など様々
- 中身: アイボリー色から黄色で気孔が散在
- 形状: 円筒状、1~3キロ
- 熟成: 2ヶ月以上
- マリアージュ: 白のラ・マンチャワイン
- 味:羊特有の優しい甘さと香りがある
やっぱり私は国もチーズもラテンのイタリアとスペインが好きみたいです。
イタリアチーズは結構いろいろ食べたので、今度は別のスペインチーズも食べてみたくなりました。
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