私のチーズ入門18 「ロマンティックなヌシャテルチーズ」

先週末はベルギーは3連休でした。

ということで友人とフランスの北西部、ピカルディー地方とノルマンディ地方に2泊3日でドライブ旅行に行ってきました。アミアン、オンフルール、サンマロ、カンカル、モンサンミッシェル、ルーアン…などなど沢山のスポットに寄ったとっても濃い3日間でした。ちなみにその前の週はフランスのリールに行ってきたので最近フランスづくしです。ベルギーのお隣の国で1時間半のドライブで着いてしまうのに、全然違う雰囲気で、しっかり旅情を味わえるのがいいですね。そして物価が安いのも嬉しいところ。


さて、旅行記はゆっくり書くとして…、忘れないうちにチーズのレビューを。

そう、フランス最北西部のノルマンディ地方はチーズの産地として有名なのです。イギリスとの間に流れる温暖なメキシコ湾流の影響で、年間を通して暖かく雨が多いのでこの地域は牧草の生育に最適。良質な牧草で育った元気な牛が沢山いるので、よって、チーズも沢山生産されている訳です。

ちなみに私が行った時は、お隣のベルギーはマイナス気温&晴れだったのに、ノルマンディ地方はそんなに寒くなく、そして雨でした。美味しそうに青々とした牧草を食む牛達をよく見かけたので、まさにチーズの地方だなぁと実感。

この辺りには「チーズの散歩道」と言われる街道もあったりして、有名なチーズも多く生産されています。代表選手はカマンベール、リヴァロ、ヌシャテル、あたりでしょうか。


そんなお隣フランスのマルシェ事情はどうだろうか、と興味津津で日曜の朝はルーアンのマルシェに行ってきました。野菜はお花はベルギーと売っているものはほとんど変わらないのですが、驚いたのは売っているチーズが全然違うこと!

ベルギーのマルシェはやはりベルギーチーズと、フランス、オランダ、イタリアのメジャーチーズが多いのですが、ノルマンディのマルシェは地域カラーが色濃く出ているチーズのセレクションでした。さすがチーズ大国、フランス。他国のチーズには目もくれず、ほぼフランスチーズのみしか置いてありません。


<フランスチーズが沢山並んだマルシェ!>


特に目を引いたのがこちらのハート型のチーズ、「ヌシャテル」です。このチーズはいろんなスタンドにどっさりと並べられていました。見た目が特徴的なので前から知っていたのですが、ノルマンディのチーズだと知ったのは実はこのマルシェに行ってから。小さいものは1つ60セントから、一番大きなものでも3ユーロほどのお値段でした。

Neufchatel(ヌシャテル)

基本DATA 

タイプ:白カビタイプ 

産地:フランス ノルマンディのブレ地方 

原料:牛乳 

表皮:白カビに覆われている  

中身:柔らかく気孔がなくなめらか  

形状:樽型、瓦型など色んな形がある。ハート型の場合は200gと600g

熟成:最低10日

味:カマンベールよりもシャープな感じ


私が知っている限り、ハート型のチーズはこのヌシャテルだけなのですが、その独特な形から、バレンタインの時期に送ったりもするそうです。形からちょっと想像できますが、とてもロマンチックなエピソードを持つチーズです。昔、百年戦争の際に、イギリスの兵士と恋に落ちたヌシャテル村の娘がこのチーズを贈ったとか。

ノルマンディでは同じ白カビタイプのカマンベールが有名ですが、ヌシャテルは実はちょっと違う製法で造られています。カマンベールは牛乳にレンネット(凝固剤)を加えて固まったらホエー(乳清)を抜き、白カビを吹き付けて熟成させるのですが、ヌシャテルはレンネットを入れてすぐ塩を入れたり、熟成済みのヌシャテルを入れたりなどとクリームチーズと似た製法で造られています。クリームチーズと白カビチーズのハイブリットチーズのような感じでしょうか。

見た目はカマンベールチーズそっくりなのですが、製法の違いから、カマンベールに比べて結構スパイシーで塩気も強いです。

<可愛いハート型>


今回はフランスでベルギーにないチーズを大量に買って帰ろう!と意気揚々としていたのに、なんと狙っていたお店が午前中のみの営業で帰りに寄ったころには閉店してしまっていました…

観光後に再度寄ったマルシェもだいぶ店終いしていたので、今回Get出来たのはヌシャテルもどきの小さなハート型のチーズのみ。。観光中に邪魔になってもいいから、チーズは出会ったときに買うべきだなということを学びました…


<断面図はこんな感じ>


ノルマンディは見どころが多すぎて、3日じゃ全然回りきれなかったので、また近々行こうと思います。その時は今回の反省を活かして一期一会と思ってチーズをたくさん買わなければ!



Atlanta Life ~via Belgium~

2015年~2017年はベルギーで。2017年8月よりアメリカはアトランタで生活を始めました。

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