私のチーズ入門20 「猫と熊のシャウルスチーズ」
先日同じマンションの友人のお宅に夕ご飯に招かれたので…、家に買って置いてあったビールとチーズを持参しました。持っていったチーズはフランスチーズの2種類。
今日はそのうち1種類をご紹介。「Chaource(シャウルス)」というチーズです。お値段は250gで4ユーロくらいだったかな(日本では100g、1200円くらい)。
シャウルスとは、シャンパーニュ地方のシャウルスという小さな町で造られているチーズ。この町は猫と熊に縁があるのか、紋章には2匹の猫と1匹の熊が描かれています。フランス語で猫はChat(シャ)、熊はOurs(ウルス)なので合わせてシャウルス、覚えやすいですね。歴史は古く、12世紀頃から造られていたそうな。
でもこのチーズ、というか私が買ったシャウルス、ちょっと解せないところが。上記の通り、シャンパーニュ地方のシャウルスのチーズなのですが、なんとパッケージにでかでかと「ブルゴーニュ産」と書いてあるのです。しかもAOPマーク付きで。AOP取得チーズだったら、決められた場所で決められた製法で造られないとそのチーズを名乗れないのになぜブルゴーニュ産?解せないのですが、もし分かる人がいたらぜひ教えてください!
<ブルゴーニュ産なのにAOPのシャウルスチーズ>
ちなみにこのパッケージにある「Patrimoine Gourmand」というのはMatchというスーパーマーケットのプライベートブランドで、フランスの地方の“ちょっといいもの”をセレクトした商品を揃えています。チーズやビスケットやサラミなどなかなかいいものが多い。チーズの種類も結構多いし、フランスの有名所がセレクトしてあるので(しっかりAOPマークもついてます)、何か新しいチーズに挑戦してみたいなぁというときはここから選ぶと便利です。
<シャウルスの紋章>
ちょっと納得できないところもありましたが…、とりあえず試食タイムです。
シャウルスは、見た目は背の高いカマンベールといった感じ。同じ白カビタイプのチーズで
す(この写真では食べにくいので高さを半分に切っちゃいました。よってちょっと伝わりにくいのですがカマンベールの倍くらい高さがあります)。
見た目はカマンベールと似ていますが、製法は結構違います。
シャウルスは温めた生乳にレンネットを加えて、じっくりと24時間かけてホエー(乳清)を抜いていきます。そして、凝固したもの(カード)をシャスランという型に入れ、1~2日間かけてまたゆっくりと水分を抜きます。その後、型から取り出し白カビを接種し、熟成。最低15日間は熟成します。
一方カマンベールは水分を抜く工程がちょっと短く、熟成がちょっと長い。
温めた生乳にレンネットを加えたら固まるのを1時間待ち、固まったら型に入れて1晩かけてホエー(乳清)を排出。水分が抜けたら塩味をつけて、白カビを接種して数週間熟成して出来上がり、です。
シャウルスは熟成が進むにつれて、カマンベールのように中がどんどんトロトロにとろけてきます。カマンベールの食べごろは熟成が進んで切り口から中のチーズが流れ出して来る頃ですが、それに対しシャウルスは、まだ芯が残ってほくほくとしている頃が食べごろだそう。
ということで、私もこのチーズは買って即開封、試食。そうすると確かにお芋のようなホクホク感があります。カマンベールはべったりと口にクリームが残りますが、シャウルスは口の中での切れがいい感じ。むしゃむしゃと食べれそうなチーズです。
白カビチーズは見た目はどれも同じように見えますが奥が深い。
今度は白カビシリーズで食べ比べをしてみたいなぁ。
Chaource(シャウルス)
基本DATA
- タイプ:白カビタイプ
- 産地:フランス シャンパーニュ地方のシャウルス
- 原料:牛乳
- 表皮:白カビに覆われている
- 中身:柔らかい
- 形状:円筒形
- 熟成:最低15日、通常2カ月
- 味:カマンベールよりもシャープな感じ
- マリアージュ:シャンパン
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