シャンパーニュでシャンパーニュメゾン巡り!
先週末1泊2日で、フランスのシャンパーニュ地方に行ってきました。
地名の通りシャンパンで有名なところです。 恥ずかしながら、行くまでシャンパンの知識はほとんどなくて、有名なメゾンの名前をちょっと聞いたことがあるくらいでしたが、今回の旅行でシャンパンの世界の深淵を少し覗くことが出来ました。
まずはシャンパンの基礎知識から。 この本を買ってお勉強↓
体系的な知識をさっと入れられるのでオススメです。
シャンパーニュ地方はブリュッセルから車で約3時間、面積は35千k㎡なので、ベルギーよりも大きい(ベルギーは30千k㎡、なんと小さい…)。 シャンパンの造り手は53,000ほど、ベルギービールの醸造所は200ほどと言われているので、いかにシャンパーニュ地方で密度濃くシャンパン造りが行われているか分かります。
さて、シャンパーニュ地方で何をするか。有名な観光の見どころはノートルダム大聖堂くらいしかないので、やることと言えばシャンパーニュメゾンを巡り、シャンパンを飲み、ぶどう畑の中をドライブです。なんだか大人になったなぁとしみじみ…(笑)
<ぶどう畑をゆっくりドライブ>
<斜面にはぶどう畑、遠くに村が見えます>
<春のぶどう畑はたんぽぽも>
シャンパーニュの中心はランスとエペルネという街です。街はとても整然として、ゴミも落ちていないし、建物はキレイだし、とても潤っている感じがします。後で分かったのですが、シャンパーニュ地方はフランスで最も一人当たりの所得が高いとか。シャンパンと言えば最低でも1本当たり20-30€はするし、高いものだと2000€(!!)なんてします。 もちろん手間暇かかっていると思いますが、やっぱりシャンパンは利益率が高い飲み物なんでしょうね。お祝いの席で飲むことが多いし、「高価なもの」というマーケティングが成功した例かしら…と思いました。街が潤ってるのも納得です。ちなみに同じスパークリングワインのカテゴリーに入る、スペインのCava(カヴァ)はシャンパンと同じ製法で造られていますが、価格はとても安いです(1本5€~)。
そんなシャンパンをもうちょっと知るべく、シャンパーニュメゾンの見学ツアーに行ってきました。私たちが行ったのはG.H. Mummというところ。あと、かの有名なMoet & Chandonも行きました(こちらはショップのみ)
一般の見学者を受け入れているメゾンは沢山あるので、自分たちの好み・日程に合うところを選んで行ってみるとなかなか楽しいです(シャンパーニュメゾンのHPから予約可能)。
MoetとMummに行って思ったのは、やはりマーケティングがすごいということ。ブランドイメージをしっかりと固めて、他社との差別化をしていました。 例えば、Moetのスタッフは白とゴールドの制服で統一してて、みんなルイヴィトンの小さなポーチを下げていました。Mummは赤がトレードマークで、赤いリボンのついた帯を肩から下げ、上下赤の制服を着ています。あとは行ってないけど、Pommeryは青がトレードマークなので青の制服、とか。 皆さんまるでスチュワーデスみたいな感じで、とてもエレガントでラグジュアリー。シャンパンっていうのは高級な飲み物なんですよっていうのを強調されている気がしました(笑)
<G. H. Mummのツアーにて>
<フランスの有名な画家、フジタのステンドグラスはMummの所有するフジタ礼拝堂内部にあります>
シャンパーニュメゾンの見学は所要時間、約1-1.5時間程度で、おそらくはどこも似たりよったりかと思いますが、まずはシャンパンとは、の説明から始まり、その後製造工程順にケーブを歩きながら見学、そして最後に試飲です。 ケーブは地下で夏でもとてもひんやりするので、暖かい格好がおすすめ。金額は、飲むシャンパンの量・種類によりますが、安いコースで20€ほどです。
シャンパンの造り方は、基本的に以下のような工程になっています。 ·
- ぶどうの圧搾(ぶどうジュースを作る)
- 一次発酵(ブドウ品種ごとに。薄いワインの出来上がり)
- 調合(ブドウ品種ごと、産地ごと、年代ごと…色んな組み合わせを作る)
- 瓶詰め+瓶内二次発酵(調合したワインに酵母、砂糖を加える)
- 熟成(1年~)
- 倒立(澱抜きをするため)※澱=酵母の死骸
- 動瓶(瓶を1/8ずつ回転させて少しずつ角度を上げる。これを5~6週間繰り返し、澱が瓶の口の部分に集まってくる)
- 澱抜き(瓶の口を‐20度の塩水につけて、澱を凍らせてポンッと出す)
- リキュールの添加(澱抜きで目減りした分、ワイン(と砂糖)を加える。ここでワインの辛口~甘口が決まる
- 栓をして出来上がり!
面白かったのは、ビールとの造り方の違い。 もちろん材料等は全然違うので比較するのもおかしな話なんですが、8の澱を取るという工程がベルギービールではないところなので非常に興味深かったです。 ベルギービールは、瓶内二次発酵しているものは大抵瓶の底に澱がどろっと残っています。 栄養があるからいいと言って混ぜる人もいますし、濁るからちょっと…という人もいます(私は後者)。 この澱をしっかり取るのはかなりの手間だけど、それをちゃんとやって、濁りのないキレイな液体に仕上げるのこそ、優雅なシャンパンって感じですね。
<この瓶の底にある固まりが「澱」です>
<シャンパーニュケーブは地下にあり、こういう迷路のような道が25キロも続いています>
余談ですが、ベルギービールにDEUSというビールがあります。こちらはなんとシャンパンと同じ製法で造られているというビール。大麦で造られているのにシャンパンの味がするという面白いビールです。 やっぱりベルギービールの何でもありなところが好きだなぁ。
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