レンガの街、Albiへ
連休のベルギー、今回は南西フランス旅行にいってきました。
県で言うと、ミディ・ピレネー、ケルシー、ペリグールです。ブリュッセル航空で、トゥールーズ便があるので、トゥールーズを起点に4日間周遊。のんびりと、リラックスした気持ちの良い旅となりました。
空からトゥールーズのバラ色の美しい街が見えていたので、すぐにでも歩き回りたかったのですが、はやる気持ちをぐっと抑えて、まずはアルビへ。
今回の旅程は、
1日目 Toulouse → Albi →Conques
2日目 Conques → Saint-Cirq-Lapopie →Rocamadour
3日目 Rocamadour → Sarlat→Les eyzies → Périgueux
4日目 Périgueux → Cordes-sur-Ciel → Toulouse というもの。
トゥールーズで車を借りてレンタカーで巡ります。今回の旅の相棒はNISSAN Juke。
どの街も村も個性的で、カラーが全く違い(文字通り色も違った)、ご飯が美味しく、本当に癒やしの旅となりました。
アルビにはトゥールーズから車で1時間、目的はロートレックの美術館です。私はロートレックのあのオシャレな感じの絵がとても好きで、この美術館は絶対行ってみたいところでした。美術館は昔の宮殿を改装したもので、まるで礼拝堂のような部屋があったり、壁や天井が装飾されている豪華な部屋もあったりと内装も楽しめました。そんな素敵な空間にロートレックの絵ばかりが沢山飾ってあり、しかも写真撮影もオッケー。午後の開館直後に行ったからか、人も少なく、誰もいない空間でロートレックの絵を満喫することができました。
<館内の様子>
ムーラン・ルージュの絵で有名なので、すっかりパリの都会な画家かと思っていましたが、アルビの出身だったんですね。ロートレックは、由緒ある伯爵家の出だそうです。近親者同士の結婚が原因で、子供の頃に遺伝性の骨折をしてしまい、その後下半身の成長が止まってしまいました。そのせいで、ロートレックはちょっと特徴的な外見になってしまったのですが、その姿がアルビのアイコンのようになっていて、色んなところにロートレックの姿を見ました。
<こちらがロートレック>
美術館のあとは、すぐ隣にある教会へ。
全てレンガで造られており、レンガ造りの教会としては世界最大だとか。要塞のような外観なのですが、この教会がすごくて。私はもう教会飽きというか、どの教会も同じように見えてしまうようになっていたのですが、ここの教会には久々に見入ってしまいました。とても珍しいと思うのですが、教会内部がすべて装飾されていて、幾何学模様のデザインや宗教画が内部全体に描かれています。カトリックとはちょっと違うような何だかエキゾチックな雰囲気もあります。
<教会の外観>
<天井の青色はこの地方で取れるパステルという染料>
私は宗教には詳しくないのですが、この辺りは異端とされたキリスト教の一派、カタリ派の中心地だったそう。カタリ派とは、11〜13世紀に南フランスで栄え、禁欲、菜食、非暴力に徹した宗教です。福音書をその土地の言葉で書いたことから民衆の人気を集め、どんどん拡大、それに脅威を感じたカトリック教会は、カタリ派を異端とし、撲滅しようとしました。それはもう残虐極まる行為だったそうで、100万人以上の人が犠牲になったそうです。
この教会が、要塞の様な姿をしているのも、昔はカタリ派で、その後カトリックに転身したものの、また攻め入られるのを恐れてこのような防御するような形になったそうです。カタリ派は当時全て撲滅されてしまい、もう残っていないそうですが、追い詰められて険しい山の上に居を構えざるを得なかったカタリ派の拠点がこの辺りには残っています。同じキリスト教で非暴力に徹した彼らがこうやって追い詰められ、虐殺されていった歴史を知ると心が締め付けられるような気持ちになります。。
高校の世界史で習ったカタリ派、単語としてしか覚えてませんでしたが、こんな悲しい歴史があったんですね。
この教会を始めとし、アルビ街全体も赤茶けたレンガ色で統一されており、しっとりとした街でした。
そんなアルビを後にして、次はコンクに向かいます。
<アルビの対岸>
<旧市街の様子>
<昔の手仕事の跡がレンガに残っていました>
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