アイスランドの生活を垣間見

私たちの1日目の宿はLaugarasという小さな村にある、おばあちゃん(ナナさんと言う)が一人で住む家でした。

アイスランドはとても物価が高いのでホテルは大体200ユーロからといったところ。ちょっとした町に泊まろうとすると、すぐそんな値段になってしまうので、私たちは町は諦め、道中の村で民泊することにしました(Airbandb)。

こちらのお宅は1泊100ユーロ、多分他の国だったらこの感じだと30〜40ユーロくらいで泊まれると思うのですが、物価が高い国なのでしょうがない。ナナおばあちゃんちから、最寄りのスーパーは40キロだと言うからなかなかの田舎です。近くには牧場とビニールハウスしかないので、きっとおばあちゃんは年金と民泊の収入で暮らしているんだと思います。家は2LDKで、お風呂は1つで共用だし、決して贅沢とは言えないけれど、清潔に保たれていて、気持ちよく過ごすことが出来ました。寒がっていた私に、アイスランドウールの手作りのセーターを貸してくれました。ちなみにおばあちゃんによるとその日は暖かいそうで、おばあちゃんは薄手のカットソー1枚でした。

宿に着いたのは夜の20時でしたが、まだ明るく、近くの(と言っても40キロくらいある)温泉や国立公園にでも行っておいでよと言われ、ドライブに出掛けました。この時期、アイスランドは日の入りが23時で、それまでは昼間と同じくらいの明るさなのです(昼間は曇ってることが多いのでそんなに明るくない)。家の鍵はずっと開けてるから大丈夫よと言われましたが、それはアイスランドが世界一治安のいい国だからのこと。ここでは警官さえ銃を持っていないそう。殺人事件は年間1件ほどらしいです。

おばあちゃんの家もそうですが、アイスランドの家はとても窓が大きく作ってあります。家の造りは意外と簡単で、私たちが泊まった部屋は窓がちょっと開いていたほど(構造的な問題で)。寒い国なのに二重窓じゃなくて大丈夫?と思いましたが、これは地熱のおかげのよう。アイスランドは温泉大国で、地面の下にある熱湯をパイプを通じて各家に届けています。そのおかげで家の中はそんなに寒くないし、お湯も勢いよくたっぷり出ます(熱すぎるくらい)。あと、メキシコ暖流のおかげで、氷の国という国名ですが、冬も想像するよりは寒くないようです。

<家のリビングは一面窓。これは20時くらいの明るさ>




朝食には手作りの「地熱パン」をいただきました。地熱パンとはアイスランドの名物パンで、鍋に材料を入れて、それを地面の中に入れて丸一日放っておくと、地熱の力でパンが出来るという仕組み。おばあちゃんの家のすぐ近くに、地熱で料理ができる「公共の台所」なるものがあり、そこで作っているそう。地熱の湯気は100度にもなるそうで、おばあちゃんは何度か火傷したこともあるとか。そんなアイスランドらしさ満点の地熱パンは2,3ミリに薄く切って、ヒュバーブ(カラフルなフキのようなもの)のジャムや、チーズと一緒にいただきます。ライ麦ベースのパンなので、ちょっと酸味があるのですが、お砂糖も入っているのでほんのり甘くもあり、とても素朴で美味しかったです。


<これが地熱パン>


おばあちゃんに淹れてもらったコーヒーを、持参していた魔法瓶に入れて出発。行き先は、地図を書いてもらった、地熱パンを作る公共の台所です。地面から湯気が出ているので、すぐに分かりました。何となく草津のようなイメージですが、そんなに硫黄の匂いはしません。地熱の力で料理が出来ちゃうなんてとてもエコな国ですね。

<ここが地熱スポット>


<地面にたまに煙突がささっていますが、これは地下の熱を逃がすためだそう>


ちなみにビニールハウスもちょくちょく見かけましたが、これも地熱の力で温かくして野菜を作っているそう。行く前はアイスランドでは野菜なんか採れないだろうから、色々持っていこうとミニトマトやフルーツなど持ってきたのですが、こちらでも種類は少ないものの売ってあります。スーパーで価格をチェックしましたが、野菜やフルーツはほぼベルギーと同じ価格でした。

<道端でよく見かけたビニールハウス>


<このチューブの中を温水が通っている>


<無人のビニールハウストマト販売所。買って食べてみましたが、味は普通のトマトでした>



冬に来たらまた印象は変わるかもしれませんが、想像していたより住みやすい国のようです。民泊をすると、ホテルに泊まるよりもその国のことをよく知れるし、別の角度から見れるような気がします。


Atlanta Life ~via Belgium~

2015年~2017年はベルギーで。2017年8月よりアメリカはアトランタで生活を始めました。

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