「ミケランジェロ・プロジェクト」ベルギーを代表する美術品を奪還!
ベルギーを懐かしみながら映画鑑賞をする今日この頃。まだホテル暮らしなので、あまりやることがないんです。ホテルの近くにはショッピングモールが3つあるくらい。歩いて行ける距離だけど、気温30度以上(体感温度35度ほど)湿度60%以上、超直射日光、こんな中で外に出たくないので、涼しいホテルでまったりしています。ちなみにホテルのデフォルトの冷房温度は15度。ものすごく寒いので、私の部屋の温度は上げていますが、最も高い冷房温度は26度まで。アメリカ人って暑がりなんだなぁ。
さて、今日見たのは「ミケランジェロ・プロジェクト」という映画。私の大好きなマット・デイモンも出演しています。原題は「The Monuments Men」。Monuments Menとは、ドイツ・ナチスから数々の美術品を奪還したチームの名前です。邦題でミケランジェロ・プロジェクトとしたのは、ミケランジェロの作品がこの映画のキーとなっていたこと、またミケランジェロの知名度の高さからでしょうか。
この映画、すっごく楽しかったです。エンターテイメントとしても楽しめたし、史実に基づく実話なので歴史のお勉強にもなっちゃう。キャストも超豪華だし、劇中に登場する芸術作品も、ものすごーく豪華で、「あ、フェルメール!」「ルノアール!」なんて言いながら楽しめました。
どんな内容の映画かと言うと、第二次世界大戦の終戦間近にドイツ・ナチスから略奪された芸術作品をアメリカの美術専門チームが奪還するというもの。第二次世界大戦中、ヒトラーが、総統美術館なるものの建設を計画、ドイツ軍に命じて侵攻した国々の美術品をどんどん略奪していました。そして酷いことに、ヒトラーが死んだら美術品は破棄という条件。ドイツ軍によって略奪された美術品は500万点以上で、その中にはレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」や「モナリザ」、ゴッホの「ひまわり」などの相当な名画が含まれていました。
数百万点の美術品を救い出すために、アメリカの美術のエキスパートが8人集結。美術はプロだけど戦争はド素人。そんな彼らが何とかして奪還を試みます。そして、ここからが注目ポイント。この映画には主役級の美術品が2点あります。なんとそれは、ゲントにある祭壇画「神秘の子羊」と、ブルージュにあるミケランジェロの聖母子像。なんで数ある芸術品の中で、ベルギーのこの2つに白羽の矢が当たったのかは分かりませんが、ベルギーファンとしては非常に嬉しいところ。もちろん2つとも見たことがあったので、親近感を持って映画を楽しめました。劇中でも懐かしい地名がちらほら。ヨーロッパの地名に詳しくなったおかげで、こうやって映画もより楽しめるようになったなぁと何だか得した気分に。
ちなみにこのモニュメンツ・メン、功績が認められたのは結構最近の2007年だそう。彼らがいたから、今こうして、フェルメールのあの絵や、ゴッホのあの絵が見れるんだから、ものすごい功績だと思うんですが、こういう、所謂戦争とはちょっと離れているものの功績は認められにくいんでしょうね。
モニュメンツ・メンが奪還した作品は約500万点だそうですが、未だに所在が分からないものは約10万点あるんだとか。今もまだ捜索が続いています。救出出来なかった作品もいくつかあり、当時の現代画家であったピカソやクレーの絵はドイツ軍によって一部燃やされてしまいました。ナチスの罪はこんなところにもあったのか。。
モニュメンツ・メンに関連して、以下の作品もありました。こちらはクリムトに関わるもの。こちらも見てみようと思います。
【追記1】
映画ではダヴィンチの最後の晩餐と言っていますが、本当かは不明。というのも、ダヴィンチの最後の晩餐は、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツェ教会の壁画だから。この教会は43年にムッソリーニに対抗したアメリカ軍が空爆に合うも、壁画だけは奇跡的に残ったという話は有名。映画に出てきた最後の晩餐は「絵画」だったので、違うものなのか。最後の晩餐を主題にした作品は沢山あるので、きっと別の作品なんだろうな。
【追記2】
最後のシーンに出てくる、ブルージュの教会なんですが、あれはブルージュの教会じゃない気がします。私の記憶と違うんですよね。。ブルージュの教会は横から入った記憶があるし、もっと暗かったと思う。ベルギーにいたら確かめに行けるんだけどなぁ。
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