遺伝子組み換えってなぁに？

最近、砂糖やら食品産業やらの映画を見ていたら、またAmazonビデオが関連作品を紹介してくれました。ちょうど私が最近気になっていたテーマでもあったので、早速鑑賞。

「パパ、遺伝子組み換えってなぁに？」というタイトルの映画ですが、原題は「GMO OMG」なので、日本版はだいぶニュアンスが変わりますね。映画監督であるジェレミーさんが、子育てをきっかけに、自分たちが普段食べている食品に含まれる遺伝子組み換えを追っていくというドキュメンタリーです。

映画自体は、正直そこまで上手く作られているとは思いませんでしたが（「甘くない砂糖の話」の方が断然作りが良かった）、分かりやすく遺伝子組み換え産業について学べたのは良かったです。でもこんな映画を見ちゃうと食べるのが怖くなるし、食費がかさんでしまうので困ったもんですね。知らぬが仏だなぁって思うこともしばしば。。私は凝り性なので、ビールだったり、第二次世界大戦だったり、その時々の興味の対象で深堀りしちゃうのですが、このテーマは自分の生活と直結してるだけに、調べれば調べるほど嫌気がさして困ってしまいました。

では、本題。そもそも「遺伝子組み換え」とは何か。そのままですが、自然界ではありえない配列で遺伝子を意図的に操作することです。メジャーな食物としては、とうもろこし、大豆、じゃがいもなどが遺伝子組み換えされています。

でもなぜ、遺伝子をわざわざ組み替えてしまう必要があるか。それは農作物の大敵、害虫・雑草を殺すため。でも害虫や雑草をやっつけるような強い農薬って、農作物も枯らしてしまいますよね。そこで強い農薬に負けないような遺伝子組み換えをした農作物を作って、農薬撒き放題にする訳です。そうすると雑草や害虫はいなくなって、楽に農業できてハッピー、という訳。

私は「遺伝子組み換え」という言葉は知っていましたが、なんとなく動植物や魚の成長を加速させて効率的に収穫するのかな、ぐらいにしか思っていませんでした（もちろんそういう遺伝子組み換えもある）。でも実際一番多く作られている遺伝子組み換え品は、農薬に耐性のある作物でした。これはかなり、私たちに悪影響を及ぼします。

• 農薬を過剰に摂取してしまう（発ガンの危険）
  
• 生態系を壊す（強い農薬に負けない新たなスーパー雑草・スーパー害虫の誕生、さらに別の農薬を作るといういたちごっこ、そして土壌を破壊）
  
• 従来の農業まで壊す（遺伝子組み換えの作物に使う農薬や、遺伝子組み換えの作物の花粉の飛散）
  

ざっと挙げてもこのくらいあるし、調べればもっともっと出てきます。じゃあ何でこんな悪いものがこの世の中、主にアメリカで流通しているのか。　営利を追求する企業がいるからです。一番有名なのが「モンサント」という種の会社。遺伝子組み換えをした種を作り、農薬を作る。そしてモンサントの作った種は、1年で終わるように作られています。通常、農業では一番よく出来た作物を取っておいて、次の年にそれを種として使います。でもモンサントの種だとそれが出来ないんです。つまりまた買うしかない。

自分の、来年も発芽する種で頑張って農業をやっていても、遺伝子組み換えしたモンサントの穀物の花粉が他の畑から飛んできて、自分の穀物と交配してしまったら、モンサントから特許侵害だと訴えられ、自分の農業はできなくなり、モンサントの種を買わされることになります。アメリカの政府はモンサントと繋がってるし、もうこの業界の状況は変えるのがとても難しい。

そして、何本か映画を見て、いろいろ調べて、私の出した結論。

アメリカでは遺伝子組み換えと共存するしか道はない！（断言）

もちろん避けられるものは避けるし、なるべくオーガニックなものを買うけども、あまりにもやりすぎちゃうと、選択肢が狭まるし、お金がかかり過ぎます。あと、多分友達もいなくなる（笑）。アメリカでは持ち寄りパーティーだったり、学校が開くランチ会(大体安いピザ)みたいなのはしょっちゅう。多分、遺伝子組み換えを食べないということにしたら、何も食べれなくなります。

こんなに怖いものなのに、共存するしかないのかぁ。一番怖いのが、アメリカでは遺伝子組み換えの表示義務がないこと。つまり、知らず知らずのうちに買ってしまうんですね。何だか八方塞がりの状況なので、とりあえずヨーロッパに引越したくなりました（EUは遺伝子組み換えの規制が厳しい）。食は私たちの生きる基本。その基本をこんなに軽んじるのでは、やっぱりアメリカは好きになれません。。

なんか最近こんなことばっかり書いて女性活動家みたいですね笑。

アメリカに一つお礼を言うとしたら、こういうことにちょっと意識が高くなったことでしょうか。まぁそもそもEUとかに住んでたら、そんなに考えなくていい問題なんだけど。