夢にまで見た、キューバへ

ちょっと間があいてしまいましたが、、今回のクルーズの目玉であるキューバへ行った記録を残しておこうと思います。キューバは私にとって特別な国。卒論のテーマであり、社会人になって初めての営業先の国でした。


クルーズの記事で前述しましたが、アメリカからだとキューバはとても行きにくくなっています。特にトランプ政権になってからはまた制度が変わって、クルーズの場合でもアメリカ資本のツアーを予約しないと、アメリカ経由ではキューバに入国できなくなってしまいました(2017年6月以降)。メキシコやカナダから入るには問題ないんですがね。。今回私たちはアメリカ発のクルーズで、マイアミ(キーウエスト)⇒キューバという経路だったのでツアー購入を余儀なくされることに。2017年6月以前にクルーズを予約していたらトランプの規制強化以前なので、個人観光のみでもいけたのですが、予約したのは10月。ということで渋々ツアーを購入。でもキューバ滞在中ずっとツアーに縛られる訳ではなく、数時間のシティツアーを一つ買ったらOKなので後は自由に個人で観光ができちゃいます。何だかよく分からない規制ですが、ルールなのでしょうがない。どこまでちゃんと見られているのかも謎ですが、キューバ入国前には物々しく、「キューバについて」というセッションまであって、船内で説明会まで開かれました。質問もたくさん出て、キューバって近くて遠い国なんだなぁというのを実感。だって、ほんとによく分からないことが多いんです。


さて、モヤモヤしながらとりあえずキューバに入国。まずは予約したバスツアーで、キューバの名所を回ります。6時間のバスツアーで1人1万円程度のものでしたが、これがなかなか良く、結果的には大満足でした。ツアーはちょうどお昼の時間帯で、1日の一番暑い時間をバスで快適に移動できたのは楽ちんでした。冬でこんな状況なんだから夏のキューバなんて暑くて観光どころじゃないかも。そしてガイドのキューバ人のお兄さんがキューバの実状を色々教えてくれたことも、とても貴重な経験でした。家のこと、医療のこと、お給料のこと、通信事情のこと、などなど、夫婦二人で一生懸命メモを取りながら非常に真面目に聞きました笑。(医療は無料、給料は平均月30ドル、家は国からもらえる、通信会社は1社のみ…etc)


まずキューバに来て一番最初に驚くことは、通貨が2種類あるということでしょうか。一つはキューバ人が使うキューバンペソ、そしてもう一つは観光客が使う兌換ペソ。ガイドのお兄さん曰く、なぜ2つに分けたのかは謎だそう…。キューバをミステリアスせしめる上ではなかなかいい役割をこなしているとは思うのですが、確かに不要なのではと思わせる存在。ドルも使えるお店もあるし、あまり兌換ペソに両替しないのが得策です(両替レートもとても不利だし)。現地人が使うペソは兌換ペソの25分の1の価値しかないのですが、兌換ペソのお釣りにキューバンペソで返してきたりもするのでしっかり確認が必要です。


そして特筆すべきがキューバのアイコン的存在になっているのがクラシックカー!ほんとに街の至るところにカラフルなクラシックカーが走っています。観光客用に何度もペンキを塗り直して、ピカピカの外見のものや、現地の人の足となっているオンボロのものなど様々。どちらにせよ、相当年期の入ったものなので、中身のエンジンは当時のものではなく、ボート用のものを無理やり入れていたり、外見と違うメーカーのものが入ったりしているそう。ちなみに乗るとすごいエンジン音だとか。

ではなぜこんなにキューバにクラシックカーがあるのか。よくネットに書いてある情報はこんな感じ。1959年のキューバ革命で、アメリカ人がキューバから去り、その時に車を置いていったというもの。革命後、経済封鎖されてしまったキューバは今も大事にこの車たちを使っています、とのこと。

どのくらいこの説明がほんとなのか分かりませんが、ガイドのお兄さんからは別の説明を聞きました。当時キューバは、車メーカーの試験場だったそう。理由は2つ。1つ目は、とても暑い気候のキューバは車の耐性試験をするのにうってつけだったから。2つ目としては、キューバはアメリカから近くて遠い存在。キューバを試験場にしたら、自社の新製品を見られることなく、かつ試験後は簡単にアメリカに輸送できるから、という説明でした。その後キューバ情勢が悪化し、この試験車たちはキューバに置き去りになったそう。


理由はともあれ、このクラシックカーがキューバの観光業に一役買っているのは確か。街の風景に溶け込むクラシックカーたちはほんとにフォトジェニックで何枚も写真を撮ってしまいました。キューバでは観光業が主要産業です。経済封鎖が良かったとは言いませんが、このクラシックカーは観光の目玉の一つとなった訳だし、経済封鎖を逆手にとって、観光を発展させて欲しいなぁと思ったり、そのままでいて欲しいなぁと思ったり。

ちなみに、私たちは高かったので乗りませんでしたがクラシックカーのタクシーは1回20ドルからです。そしてタクシー運転手達はライセンスの維持のために国に月600ドルを支払っているそう。キューバの物価からいうとかなりの高額ですが、月600ドル以上稼げるとしたら(稼げるでしょう)、チップももらえるし、タクシー運転手はかなりの高給取りですね。タクシー1つとってもいろいろ考えさせられるキューバでした。


キューバに関しては一概に何かを言ったりできないな、というのが正直な感想です。念願のキューバにやっと行けてよかった。ラウル・カストロ氏もそろそろ退任のタイミング、今後すごい勢いで変わっていくんだろうなぁと思います。10年後、20年後にまたキューバに行ったら、次はどうなっているんだろう?


<街に溶け込むクラシックカー>


<ずらりと並ぶクラシックカーのタクシー>



<革命メンバーの顔が街のいたるところに>

<ハバナの旧市街は驚くほどオンボロでした。ほんとうに物が入ってきてないんだなぁと感じます。そして何かを覗いている人がよくいました>

<ハバナの朝、出勤風景>


Atlanta Life ~via Belgium~

2015年~2017年はベルギーで。2017年8月よりアメリカはアトランタで生活を始めました。

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