クルーズのエコシステム

マイアミから出発の6泊7日のクルーズに来ています(実質は6泊5日)。

私たち夫婦はどちらかというとストイックな貧乏旅行が好きなので、クルーズ旅行って柄じゃないんですが、ある国に釣られて申し込んでしまいました。ある国とは、キューバ。アメリカからだと特定の条件に合致しないとキューバに渡航することはできず、こんなに近くにいるのにとても遠い国だったんです。特定の条件とは、観光は当てはまらず、教育、ビジネス、慈善活動など。もちろん嘘をついて教育目的と言って渡航することは出来なくはないんだけど、会社から派遣されている社会人として無茶なことはしにくい。ではアメリカ以外の国から、例えばメキシコから、キューバに行けばいいじゃないか、という選択肢もあるけれど時間とお金がもったいない(メキシコは行ったことあるので)。ということで、キューバには1泊2日のみの停泊だけど、クルーズで行くことにしたのでした。

<クルーズ船の部屋>


ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、結論として人生に一度くらいはクルーズに行っても良さそうです。費用は下から2ランク目くらいの部屋で一人18万円ほど。せっかくなので海が見える部屋にしたのですが、こだわらなければ10万円ちょっとくらいに抑えられると思います。海のど真ん中で朝の太陽の光で目を覚ますのはとても気持ち良かったので、窓付きの部屋は正解でした。


1日目は何だか慣れなくてクルーズなんて合わないなと思っていたのですが、人間だんだんと順応してくるものです。3日目ぐらいから最初の頃に感じてた違和感など、だいぶ薄らいでしまいました。

クルーズというのはディズニーランドのような、夢の国のようなところです。スタッフの方達もとても丁寧で感じが良い。2000人近く乗客がいるのに私たちのことを覚えようとしてくれるし、いつも皆さん気さくに話しかけてくれます。これにはホントにびっくり。しっかりと社員教育がされているなぁと感心してしまいました。ただ、ディズニーランドとクルーズは根本的に違う点があります。ディズニーランドのスタッフは仕事が終わったら家に帰りますが、クルーズではスタッフの方は私たちと同じ船で寝泊まりをします。

何だかクルーズが資本主義の縮図のように見えてしまって、私はそれに対して何とも言えない居心地の悪さを感じてしまいました。つい、どういう部屋で寝泊まりしているのかな、など考えてしまいます。狭い閉鎖空間で一緒に過ごすので、ディズニーでは見えない裏側が垣間見えてしまいます。クルーズのスタッフは大体が発展途上国と言われる国から来ており、彼らは1年のうち10ヶ月をクルーズの上で過ごし、2ヶ月のバケーションをもらいます。私たちの船は小さく1700名の乗客に、約400人のスタッフで、スタッフの方はインドネシア、フィリピン、インド、中南米からが多かったです。どのようにサービスを提供し、受けるかは個々人の自由ですが、クルーズではあまりにもサービス提供者の割合が大きすぎ、なんだか私はそれに居心地の悪さを感じてしまいました。私が普段の日常生活でサービスを受けると言ったら月一のレストランくらいなんで、ただ慣れていないということなのかもしれませんが。。

そしてクルーズではいかにお金を出すかが全て。部屋のランクはもちろん、食事の時間も、外に出る時間も、全てはお金次第。お金さえ出せばいい時間に食事が出来て、早い時間にイミグレーションを終わらせ観光に出かけられます。まさかここまでお金次第だとは。


あとクルーズで思ったこと。想像に難くないと思いますが、フォアグラ状態になります。そんなにやることがないから食べて寝てばかり。料理はお世辞にも美味しいと言えないのだけど、何故か食べてしまう(たまになかなか美味しいものもありました)。私はオーガニック食や砂糖にかなり気を使っているのだけど、ここではそんな概念すらない感じ。きっと食物のほぼ8割は遺伝子組換えだったり精製された白砂糖を使ってるんでしょう。でもクルーズの間はそんなことは忘れようと思います。

あと肥満大国アメリカ発のクルーズらしいなと思ったのが、「シュガーフリー(砂糖不使用)」のデザートが用意されているという点。アメリカには極度の肥満の人や、糖尿病、糖尿病予備軍の人が相当数いるので、そういうニーズがあるのでしょう。ちなみにシュガーフリーと言ってもかなり甘いので、ステビアなど使ってるんだと思います。現在私は緩やかな糖質制限中なのですが、クルーズでの食事についてはそこまで困りませんでした。洋食って肉や魚が多く、炭水化物は比較的簡単に抜くことが出来るんです。でもそもそもの食事量が倍くらいになってるので、太ってはいるんでしょうが。帰ってから体重計に乗るのが恐ろしいです…

<クルーズ船>


Atlanta Life ~via Belgium~

2015年~2017年はベルギーで。2017年8月よりアメリカはアトランタで生活を始めました。

0コメント

  • 1000 / 1000