インディヘナの村々を訪ねて

授業の一環と称して、数日の間毎日先生に近隣の村に連れて行ってもらいました。行ったのは、以下の3つの村。

  • Santa Maria de Jesus(サンタ・マリア・デ・ヘスース)
  • San Andres Itzapa(サン・アンドレス・イツァッパ)
  • San Antonio Aguas Calientes(サン・アントニオ・アグアスカリエンテス)

ちなみに全て聖人の名前がついていますが、村がこの聖人と関係がある訳ではなく、この村のお祭りの日がそれぞれの聖人の日と一致するからだそう(グアテマラのカレンダーは、他のキリスト教の国と同様、毎日が誰かしらの聖人の日となっている。日本のカレンダーに「大安」とかあるのと同じ感覚かな)。

どの村もそれぞれの良さがあってとても良かったのですが、私が1番気に入ったのはサンタ・マリア・デ・ヘスース。ちょうど行った日がこの村の市場の日と重なったこともあって、街はとても賑やかでした。

<市場の様子。犬もたくさん歩いてます>


市場には珍しいものがたくさん売ってあってワクワクしたし、人ばかりじゃなくて野良犬もいっぱい歩いているのも面白かったです。それにしても、女性が頭の上に物を載せて運んでいるのは何度見ても感心してしまいます。よくもあんなに重そうなものを載せてバランスよく歩けるなぁ。ちなみに頭に物を載せるのは女性だけで、男性はもうちょっと重いものをおでこに引っ掛けて背中で運びます。

<頭に荷物を載せてあるく女性>

<中央にあるのはイグアナの丸焼き>

<ワニも売ってありました>


サンタ・マリアデヘスースで印象的だったのが、水汲み場と洗濯場。この村は高地にあるので水道が通っておらず、毎日水を汲みに来ないといけないのです。5リットルくらい入りそうな容器を5つくらい持参して水を入れて帰ります。これは相当重そう…

<水汲み場>


公共洗濯場ではたくさんの女性たちが元気よく洗濯していました。町にはこういう洗濯場が2つあり、両方とも大混雑。グアテマラの村には大抵洗濯場があり、村人は毎日ここに洗濯にきます。どこも同じような作りになっていて、真ん中に大きな水溜があり、その周りに洗濯スペースがいくつか(10ほど)あります。みんな真ん中の水溜にバケツを投げ入れて、自分の水溜場に水を入れます。この作業を何度か繰り返して自分の持ち場に水が溜まると洗濯開始です。通常向かって右のスペースが水溜場、左が洗い場で、少し斜面がついており洗いやすくなっています。

私はTシャツを一枚洗うのを見ていたのですが、これがかなりの重労働。Tシャツにバケツ1杯の水をかけて濡らしたら、その上に粉洗剤を振りかけて勢いよく洗っていきます。Tシャツは泡でいっぱいになるので、今度はその泡を流しつつ、さらに力強く丁寧に洗います。シャツってこんなにキレイに洗わなきゃいけなかったっけと疑問視したくなるくらい丁寧で、もうそろそろいいんじゃない、と声をかけたくなるほど。Tシャツを洗い終わると最初に自分の洗い場に溜めておいた水は使いきってしまうので、また中央の水溜場から水を汲まなければいけません。

Tシャツの次に洗ったのはタオル。同じように洗剤をつけて洗った後、今度は塩素をかけてそれを手で洗って流していきます。本当に取り憑かれたように清潔好き。先住民の家庭はものすごく子供がたくさんいます。4人から6,7人なんてざらで、そんな子供たちの洗濯物をお母さんは一人で、または大きな子供がいたらその子と一緒に全部を洗わなければいけません。

<公共洗濯場>


私のスペイン語の先生は、実は先住民で彼らの言葉が話せるので、ちょっと話しかけてくれました。先住民は大抵、自分の言葉とスペイン語のバイリンガルなので、彼女たちも側にいる私にもたまにスペイン語で話しかけてくれます。天気の話や、洗濯大変そうだねというとりとめもない会話の中で分かったのは、彼女たちは毎日朝の6時から昼まで洗濯をしているということ。1日の5~6時間を洗濯に取られてしまう生活はどんなに大変なことだろうと思います。洗濯機さえあればという思いと、もしかしたら洗剤や塩素さえなかったら、彼女たちの仕事はもう少し楽だったんじゃないかなと思いました。彼女たちが使っていたのは大企業の有名なロゴが入った洗剤。これが先住民の生活圏に入ってきてしまったから、洗うのも流すのもものすごく長い時間がかかるようになってしまったんじゃないかな。。


しばらくそうやってお話していると、小さなマイクロバスが洗濯場の前にやってきて、中年のアメリカ人の女性グループがどかどかとやってきました。私が行った村はまだほとんど観光地化されていませんが、たまにこうやって観光客がやってきます。とても残念だったのは、彼女たちが断りもせず、真ん前から洗濯する女性たちの写真を撮り始めたこと。まるで動物園の動物でも撮っているようでした。もし自分がそういう風にいきなり至近距離で何の断りもなく写真を撮られたらどんな気持ちがするだろう?そういうのを少しは考えて欲しかったなと最後は悲しい気持ちになりました。私の偏見もありますが、こういうのをするのってアメリカ人の中年の方に多い気がします(中南米では)。

私は許可をもらって撮ったし、遠くから望遠レンズで撮らせてもらいました。こういうのって何が正解とか難しいけれど、自分がされて嫌なことは人にしちゃだめだと思います。この村も数年後には観光客が増えているかもしれません。インディヘナたちが気持ちよく洗濯できるような環境が残っているといいんですが。。


Atlanta Life ~via Belgium~

2015年~2017年はベルギーで。2017年8月よりアメリカはアトランタで生活を始めました。

0コメント

  • 1000 / 1000