私のチーズ入門13 「北フランスのウォッシュチーズ、マロワル」
今日は何となくチーズが食べたい気分だったので、近所のスーパーに行って、AOP認定のチーズを買ってみることにしました!
近所のそんなに大きくない普通のスーパー(MATCH)でも、チーズは100種類くらい売ってあります。ヨーロッパってチーズ大国ですね。
何も知らずほんっとに適当に選んでみたのがこちら。「Maroilles」というチーズ。手のひらサイズで3ユーロほど。
右下にある赤と黄色のマークが原産地呼称(AOP)のマーク。
このマークがついていると、定められた地域と製法でキチンと作られており、品質が担保されているということが分かります。 例えばこのチーズの場合だと、Maroillesの作り方に則って真面目に作られたMaroillesということです。
チーズを買ってみたいけど何を買えばいいか分からない…という人はこのマークが付いているのを買ってみるといいと思います。そうすると、後でどんなチーズか調べるときも必ず色んなところに情報が載っています。
さてこのチーズ、どんなチーズかと言いますと…
まずウンチクから話すと、とても歴史のある由緒正しいチーズでした。
最初に造られたのは7世紀。ベルギーとの国境近くの北フランスのマロワル村のマロワル修道院で修道士によって造られていたそうです。
そして開けてみると…、若干ぎょっとします。というのも、写真ではちょっと分かりにくいのですが、表面が薄ピンクなのです。何だか気持ち悪いような…笑。
匂いもなかなか強烈。足の裏(表現が悪くてすみません…)のような匂いがします。
そして以前食べたベルギー唯一のAOPチーズ、Herve(エルブ)チーズに雰囲気がそっくり。
それもそのはず、同じウォッシュタイプのチーズなのでした。
ウォッシュタイプとはチーズの表面を塩水などで洗いながら熟成させるチーズでしたね。
前回のエルブチーズがもっともっと強烈で、何となく苦手意識を持っていたのですが(味はキライじゃなかったけど)、このチーズは同じウォッシュタイプでもエルブチーズとは全ーく違いました。
まず表面はじゃりじゃりしていて、食感がとても面白い。
そして中はカマンベールのような白カビ系チーズのちょっと草っぽくてクリーミーな味。あと少し芳ばしいような感じもしました。なかなか美味しいです。見た目と匂いに反して味はマイルド。これはまた買ってもいいなと思う味でした。
ベルギーのエルブチーズは納豆菌が元だったのですが、今回のマロワルは白カビが元。なるほど、一口にウォッシュタイプのチーズと言っても、元々の菌がどういう菌かによって全く味が変わってくるんですね。
ウォッシュタイプなのでチーズにつく白カビを優しく洗って排除しつつ、熟成を進めます。
昔は地下の洞窟で熟成していたので自然に表皮が赤色になっていたそうですが、現在では温度管理された部屋で熟成されているため赤くなりません。ですが伝統を重んじて赤系の色素で着色しているそうです。
ウォッシュタイプと言っても色々あるんだなぁと教えてくれたこのチーズ。
今度また別のウォッシュタイプに挑戦してみようと思います。
Maroilles(マロワル)チーズ
基本DATA
- タイプ: ウォッシュタイプ
- 産地: ティエラシュ地方(フランス北部)
- 原料: 生乳
- 表皮: 洗って出来る、赤く湿っている
- 中身: 柔らかい
- 形状: 角盤上、手のひらサイズ。何種類か小さいサイズがある(今回買ったのは4分の1(Quart)サイズ)
- 熟成: 最低5週間(通常2~4カ月)
- マリアージュ: 赤ワイン
- 味: クリーミーでカマンベールのよう
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