フラワーカーペットのボランティアに参加!
ラトヴィアの記事で、すっかり遅くなってしまいましたが…、先週末のベルギーでは、2年に一度の大イベント、フラワーカーペットが開催されていました。
フラワーカーペットは1971年に初めてブリュッセルで開催され、今回で20回目。まだまだ歴史は浅いですが、ゲントには200年以上の歴史がある花の祭典があるので、ベルギーは花のイベントに関しては経験値が高い国と言えそうです。フラワーカーペットは、現在では2年に1度何らかのテーマを決めて開催されていますが、今年のテーマはなんと「日本」!2016年はベルギーと日本の友好150周年記念の年なのです。
こちらが図案↓
2016年の150年前と言えば…、1866年。明治維新の2年前ということになります。あれ、この頃ってペリーが黒船に乗ってやってきて、その後日米和親条約や、日米修好通商条約が締結された辺りでは…
おやっと思って調べてみると、ちょうどこの頃日本は列強の国々に不平等条約を結ばされていた時代でした。真っ先に条約を締結したのがアメリカ。そしてそれにオランダ、ロシア、イギリス、フランスが続きます。これが安政五カ国条約。日本政府はその後、他の欧州諸国の圧力にも負け、スイス、ベルギー、イタリア、デンマーク、スペイン、スウェーデン、ノルウェー、オーストリア、ハンガリーと同様の条約を結んでいきます。これらの条約は、領事裁判権や関税自主権がないという不平等極まりない条約。我がベルギーも列強に便乗して日本にゆすりをかけていたのですね。。友好150周年だ!と盛り上がっていましたが、なんだかちょっと醒めてしまったのでした。。そういえばこの間イタリアに行ったときも日本の友好150周年だとか言っていましたが、この頃は「友好」スタートラッシュだった訳ですね。
とまあ、そんな興ざめする話は置いておいて、何はともあれ現在は対等な立場になり、本当の意味での友好な関係にあるので、気持ちよくこのイベントを祝おうと思います。
そして私、このフラワーカーペットの、花を敷きつめるというボランティアに応募して当選してしまったのです!
数ヶ月前に夫が偶然大使館のホームページで、フラワーカーペットのボランティアを募集しているのを発見し、早速応募。日本がテーマということで、日本人の一般公募をやっているようでした。そして私は持ち前の(?)くじ運の強さを発揮し、かなりの倍率をくぐり抜け見事当選!めでたく、8月12日にボランティアに参加してきました。
当日は、朝5時組と9時組があり、私は9時組に参加。5時組の人達がかなり頑張ってくれていたおかげで、カーペットの作り方もなんとなく掴め、早速作業開始。9時組みの日本人メンバーは全部で20人、うち10人が日本人学校の子どもたちなので大人は10名でした。現地の人たちも含めて総勢100名のボランティアで約60万個の花を75×24メートルの敷地に7時間かけて敷き詰めていきます。
私たちボランティアは黒色の記念Tシャツを着用。設計図を持っていて、ボランティアに指示する人は赤のTシャツ、経験者は白のTシャツを着ているので、分からなかったら赤や白の人に聞きながら作業を進めます。ボランティアはほぼフラマン語圏の人たちなのでコミュニケーションは英語で。フランス語話者はほとんどいなかった印象です。おそらく、花の祭典で経験豊富なゲントからの助っ人が多く、フラマン語が優勢となったようです。
<朝9時の様子>
花はダンボールの中に種類別、色別にざくっと入っており、主にベゴニアの花でした。ベゴニアは色のバラエティが多く、さらに色鮮やかなため採用されているようです(しかもベルギーはベゴニアの一大生産地)。しかし水分が多く、傷付きやすいため、すでに結構傷んでいるものもあり、若干大丈夫かな…と不安になってしまいましたが、遠くから見たらそんなに目立たない模様。3日もしたら真っ黒になっちゃいそうですが。。平べったくて、裏表もあまりはっきりしないので、とにかく斜めに差し込むようにどんどん敷いていきます。
<こんな感じで敷いていきます>
<結構傷んでしまっているけど遠目から見たらキレイなベゴニアの花>
フラワーカーペットとなる敷地には、下絵が描かれた巨大なビニールが敷いてあり、花が痛まないようにビニールは水で濡らしてあります。 よって膝はつけられないので、かがみながらの作業となり、背中と腰にくる。さらに花を取るために頻繁に立ち上がるので、もはやスクワット状態。次の日は全身筋肉痛で、大変なことになってしまいました(笑) 経験者たちは膝あてをしていたり、水泳のビートバンのようなものをお尻や膝の下に敷いて作業していました。これはかなり賢い。次があれば(残念ながらないけど)、これは必須アイテムです。
そんなこんなで、みんなで協力しながらタイムリミットの12時の30分以上前に無事完成!
なんと気付いたら私は最後の花を置いていて、ばっちりテレビに撮られていました。作業中も何度も取材を受けて、拙い英語でインタビューされること4回ほど。恥ずかしすぎるのでカットになっているといいのだけど…苦笑
ちなみに私は、中央の円の左下の桜の花と、下の青と白の模様の部分を担当しました。この青い部分なんてもはや花ではなくて、花びらを砕いて乾燥させたような紙吹雪のようなもの。えっ、飛んじゃわないの?と心配になってしまいましたが、飛ばなかったようです。グランプラスは狭い閉鎖空間なので強い風は吹いたりしないのでしょうか。
夜、ニュースを見ていたら、作業している私がいっぱい映っていました!ちょっと恥ずかしかったですが、ベルギーで地上波デビューしてなんだか嬉しい。
地元の人と協力して一つのものを作り上げるっていいですね。またこういう地元のイベントがあれば積極的に参加していきたいなと思いました。
<これがベゴニアの花>
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