ベルギー人とビール

クリスマスが近づいてきて、スーパーには「クリスマスビール」なるものがものすごい場所を占領して陳列されてます。クリスマスビールとは、クリスマスに向けて各醸造が造る冬にぴったりの濃いめのビール。ビールの一つのジャンルとして成立するほどで、クリスマス風のラベルをつけて売られます。度数はだいたい8パーセントくらい。クリスマスのパーティの食事と一緒にじっくり味わうビールです。
<スーパーのクリスマスビールコーナー>


これだけでもベルギー人はビールが大好きなんだなぁと伝わってきますね。

ベルギーに来て4ヶ月、ベルギービールの素晴らしさを知って醸造所巡りを始めて2ヶ月、ベルギーをベルギーたらしめてるのはビールなんじゃないかな、と思うようになってきました。

ベルギーは北はフランダース、南はワロニーという地域に2分されていて、フランダースではゲルマン系の人達がフラマン語(オランダ語の方言のようなもの)を話し、ワロニーでは、ラテン系の人達がフランス語を話します。民族が違えば言葉も違い、この二つの地域はあまり仲も良くありません。

スコットランドやカタルーニャやケベックのように独立の話も出るくらい。そんな中で、ベルギーをベルギーという国として結束させているのはビールな気がするんです。醸造所の数はフランダースの方が多いですが、ベルギー全土でビールが造られ消費されています。

ヨーロッパは陸続きで、ドイツ、オランダ、フランスはすぐ隣なのに、これだけビールにこだわりを持って、様々なビールを造り、ビールを愛しているのはベルギーだけ。民族、言葉、慣習が違うけれど、ベルギー人はビールを共通言語としてビールによって結ばれているように見えます。(私がベルギー各地でビールばっかり飲んでるからそういう風に見えるのかもしれませんが。。)

他にも不思議なのはフランスやオランダは近くにベルギービールという素晴らしい飲み物があるのに何でそんなに飲まないのか、ということ。陸続きと言えども、ヨーロッパの国はそれぞれ自分のアイデンティティを頑なに守っているように見えます。フランスはワイン、オランダはハイネケン、みたいに。何がベルギーを形成しているか、もうちょっと歴史を勉強してみなければと思いました。


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