Emmental(エメンタール)でエメンタールチーズを食す!
最近チーズにはまっている私のために旦那さんが旅程に組みこんでくれました!
エメンタールは、Bern(ベルン)からローカル線に乗り換え、Hasle-Ruegsau駅まで行ったところにあります(約40分)。
私達はここからエメンタールチーズの工房を訪問し、せっかくなので田舎に泊まろう!ということで、この地域唯一の宿(カフェの2階)に泊まりました。牧草地と牛しかいない、何とも牧歌的なところで、まさにスイス的イメージそのもの。
写真下<このカフェの2階が宿>
写真下<可愛らしい置物が>
- 牛乳を32度に温める
- 乳酸菌と凝固剤、プロピオン酸菌(※)を入れる
- 混ぜる
- 固まってきたら布でさらって、水分を絞って抜く
- 型にはめて圧縮する
- 30分置きにひっくり返す
- 熟成させる(最低4カ月、最長30カ月)
近代技術が導入されたとは言え、大半はまだ手作業で行っていました。
というか、工程を見ているとこれを全て機械化するのは難しそうな感じ。
エメンタールチーズは牛乳1200リットルから1つのチーズを造ります。出来上がりは約100キロで世界で一番大きいチーズ。よってエメンタールチーズ造りは体格の良い男性の力でした(通常チーズ造りは主婦の仕事だったそうです)。
大きな釜で牛乳を混ぜたり、大きなチーズをひっくり返したりと、かなりの大仕事。機械はそういうポイントに導入されていて、工程から工程に繋いだり、工程に入る前の下準備(さらし布を取ったりなど)は全て人の仕事です。機械が重労働に取って代わった分、近年では女性もチーズ職人になれるようになったそうです。
写真下<現代の工房>
また、昔のチーズ製造台帳というのも展示してあったのですが、チーズは化学だ、という点も非常に興味深かったです。エメンタールチーズの特徴は、ボコボコと空いた穴ですが、その穴は菌の二酸化炭素を排出する働きによって出来ます。この穴がかなり重要で、ちゃんと均質に美しく空いていないといけません。質の悪い牛乳が混ざっていると穴が変に形成されたり、チーズが膨らみ過ぎたりして、売り物にも家畜の餌にも出来ないチーズが出来上がってしまうのです(牛乳1200リットルも使ってもったいない!)。
そういう時、昔のチーズ職人はどの農家からいつ、何リットル牛乳を仕入れたか記録しており、その牛乳のサンプルも保存してあり、どの牛乳に悪い菌が入っていたかトレーサビリティが可能になっていたそうです。
写真下<チーズの悪い例>
伝統的な工程も見せてもらいましたが、これはかなりしんどい。
直火でチーズ鍋を熱していくのですが、ものすごい煙で体全体がすっかり燻されてしまいました。天井にはソーセージが吊るされており、この煙でサラミを作って一石二鳥です。
チーズ職人さんが固めた直後のフレッシュチーズを試食させてくれたのですが、これがサッパリとしていてかなり美味しかったです。カッテージチーズのような感じで、サラダに入れたらとても美味しそう。これを熟成させたらあの濃厚でむっちりとしたチーズになるのかぁと不思議な感じがしました。
写真下<チーズプレート>
夕食後はエメンタールの村をお散歩。
のどかな風景がずーっと続いていてとても癒されました。
こうやって田舎に泊まるのもまた違った楽しみ方が出来ていいですね。
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